はじめまして。私(@hoheikun_cheme)は、大学院卒業後に化学メーカーで技術開発職として働いています。
化学メーカーに就職すると、具体的にどのような仕事に携わることになるのでしょうか? 「研究職」や「技術職」など、いくつかの職種が思い浮かぶかもしれません。
本記事では、そうした疑問に答えるべく、「研究職」「技術職」「生産技術職」の違いをわかりやすく解説します。それぞれの役割や特徴を理解し、自分に合ったキャリアを考える参考にしてください。

化学メーカーで働ける実際の職種ってどんなのがあるのでしょうか?
「研究職」、「技術職」、「生産技術職」の違いは?


研究職
研究職は大きく「基礎研究」と「応用研究」に分けられます。それぞれの仕事内容をみてみましょう。
基礎研究
「基礎研究」はゼロからイチを生み出すための研究です。企業の基礎研究では、自社の事業に関連する新素材について求められる性質を設定し、それを作り出すための研究を重ねるのが一般的です。
競合他社に先を越されてしまうリスクもあるため、研究のスピード感が重要になります。しかし、現時点で「実用性がないと思われる研究」から有用な発見がされることもあるため、解明されていない理論に関する長期的な研究も行われます。
まったく新しいものや技術を生み出すことには時間がかかるため、すぐに結果を求められるわけではなく、事業化できるまでに10年を超えるような長期間の研究になる場合が多いです。



基礎研究は大学の研究と似ていますね


応用研究
「応用研究」は、基礎研究で見出された研究結果を実用化するために行う研究です。
基礎研究で見つけた新しい知識や技術などを製品化するためにはどうするか。既存の製品にどう取り入れればよいのかを市場や社会のニーズを見据えて研究を進めていきます。
応用研究においては、期限や予算の設定をされているケースが多く、スピード感とコスト意識をもって研究を進めていくことが要求されます。



研究職は特許を取ることも進められ
年1件以上の所得を求められます、、、


技術職
「技術職」は、現場での生産の仕事に関わることが多い職種です。エンジニアとして、生産設備の運用・管理を担当し、工場が停止することなく、安定かつ効率的に製品を製造できるよう努めます。
また、トラブルが発生した際は、原因を特定し、再発防止のために生産工程を改善することも重要な役割です。さらに、トラブルを未然に防ぐための研究や対策の立案も求められます。
開発職
「研究開発職」は、企業の製品に関連する分野で基礎研究を行い、既存技術の発展や新規分野の研究開発を進める職種です。
「研究職」の項目で述べた基礎研究と応用研究を総称して研究開発職とし、商品開発部門に成果を引き渡すまでを業務範囲とする場合もあれば、製品開発までを含める場合もあります。
研究開発職は専門的な知識が求められるため、専攻を活かして働きたい理系学部出身の就活生に人気の職種の一つです。



私が所属しているのは
技術開発職です


商品開発職
「商品開発職」の仕事は、ひとことで言えば新しい製品を生み出す仕事です。既存製品を応用して新たな製品を開発する場合と、ゼロからまったく新しい製品を開発する場合があります。
商品開発職は、研究職から成果を引き継ぎ、それを実際の製品として形にする役割を担います。市場のニーズを分析し、マーケティング戦略を立案するほか、生産コストの試算も重要な業務です。
研究開発職や生産部門、また営業部門など、あらゆる関係部門と調整をとりながら売れる製品を開発することが求められます。また、商品開発職は新製品を生み出していくため、モノづくりのど真ん中の仕事をすることができます。



商品開発職は新製品を世の中に出すというやりがいのある職種ですね


生産技術職
「生産技術職」は安全かつ効率的な生産を目指し、日々の生産管理・工程改善を通して良質な品質を作り込む役割を担います。
新製品の製品化においては、研究職、技術職が運転、試作検討を重ね、生産化したら、生産技術職が改善の積み重ねを通して安定生産に貢献する仕事です。
工場における製造プロセスは、装置のちょっとした故障や外部環境などに大きく依存します。 ちょっとしたファクターにすぐに対応できるように、日頃から現場の方々と良好な人間関係を築く必要があります。
生産技術職は工場で起こったトラブルに対応しなければならず、真夜中に呼び出されることもあります。



海外での工場の立ち上げで何ヶ月もいることもあります
まとめ
「研究職」「技術職」「生産技術職」の違いについて説明しました。
研究職は、大学の研究に近い基礎研究を通じて、新製品の土台を作る仕事です。技術職は、新製品の開発に携わり、モノづくりの中心的な役割を担います。そして、生産技術職は、生産現場でのトラブル対応を行い、新製品がスムーズに量産できるようにする仕事です。
それぞれの職種には異なる役割がありますが、いずれも企業の製品づくりに欠かせない重要な職種です。



どの職種が向いているかをよく調べてから応募しましょう






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