・化学メーカー研究職のメリット
・化学メーカー研究職のデメリット
・化学メーカー研究職に転職する方法
はじめまして。私(@hoheikun_cheme)は、大学院卒業後に化学メーカーで研究職として働いています。
化学メーカーの研究職として実際に働く中で、「良い点」と「悪い点」の両方を実感してきました。
普段は研究所で基礎研究に取り組んでいますが、試作検討で工場へ足を運ぶこともあります。
研究所と工場、それぞれの現場には独特の特徴や雰囲気があり、それぞれに違いがあります。
本記事を最後まで読めば
- 化学メーカー研究職のメリット
- 化学メーカー研究職のデメリット
- 転職して化学メーカー研究職になる方法
が全てわかりますよ。
研究職への転職を検討している方はもちろん、研究職の良さをイマイチ感じられていない方もぜひ最後までご覧ください。

最後に「どうやって研究職になるのか」について解説しているので最後までご覧ください
- 現役化学メーカー研究職
- 国立大卒化学工学専攻
- 化学メーカー転職市場を熟知
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化学メーカー研究職のメリット5選
実際に化学メーカー研究職で働いていて感じたメリットを5つ紹介します。
製品開発の達成感
化学メーカー研究職の最大の魅力は、自分が開発した製品が実際に生産され、世の中に送り出されることです。これは大きなやりがいであり、最大のメリットです。


研究職は日々基礎実験を繰り返して手法を考案し、それをもとに工場で量産化を実現するための処方を組み立てます。基礎実験、試作、改善を繰り返して製品研究を行い、最終的に製品として世に送り出していきます。
基礎研究から製品化まではものすごい時間がかかるため、自分が携わったものが製品化されたときの達成感は半端ないものがあります。



自分の作った製品が世界中で使われると考えるとワクワクしますよね
規模が大きい
化学メーカーの市場規模は非常に大きく、規模の大きな仕事をすることができます。以下の経済産業省のデータをみると、製品出荷額46兆円と日本GDPの14%も占める非常に大きな市場規模です。


工場での試作試験では、生産設備を使って試作品を製造します。試作品の製造1つにつき、約500万円かかります。
これだけ多くのコストがかかり、多くの人が関わる大きな仕事を若手研究者のうちから主担当として取り組むことができる職業は他にはないと思います。



規模の大きな仕事をしたい人は大企業のメーカーがおすすめです
専門性を磨ける
化学メーカー研究職は専門性が高い仕事で、社内では研究者と一目置かれる存在です。
基礎研究の内容が体系化されると、特許・論文の執筆をすることもあります。これらの知的財産は社外に公開され、自身の名前を未来永劫残すことができます。
こういった専門性が身につくと、ホワイト企業へ転職しやすくなります。
実務経験があるだけで、転職先は割と簡単に見つかります。
つまり、今の職場が合わなかった場合でも、気軽に職場を変えることが可能です。
ちなみに研究職は2~3年経験するだけで、今より良い求人が見つかりやすい職種です。
そして、ホワイト求人は「JACリクルートメント」「パソナキャリア」など、ハイクラスの転職エージェントが保有していることが多いです。
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ワークライフバランスが取りやすい
研究職はワークライフバランスが良く、土日休み&定時帰りが実現しやすい職種です。
理由は年間を通したスケジュールが決まっているから。
他の職種でありがちな
- 工務・保守→急な機械トラブル
- 生産技術職→急な生産トラブル
- IT職→急なシステムトラブル
など、突発的な「残業」や「休日出勤」がほとんど発生しません。



私自身、休日出勤が発生したことはありません
急な仕事が発生しずらく「予め準備しておく」などの対策が立てられます。
空いた時間を
- 副業
- プライベート
などにあてることができ、安定して生活できるところが研究職の素晴らしいところですね。



化学メーカーでも研究職は突発的な仕事が起こりづらい職種ですね
自己成長すれば残業も減らせる
いくらワークライフバランスの整った研究職でも、繁忙期は残業を強いられがちです。
そんな場面でも
- 業務の効率化
- システムの導入
- 経験で身につく慣れ
など、自己成長と共に残業時間は確実に減らしていけます。
どれだけ頑張っても振られる仕事が増えるだけ(給料は増えない)といった職種が多い中、研究職に多いコアレスフレックスなど自分次第で仕事時間を調整できる研究職は冗談抜きで最高です。
私自身、業務効率化のおかげで残業時間はほぼゼロで帰宅できています。



詳しくは私の残業時間・月収を大公開しているのでチェックしてみてください


化学メーカー研究職のデメリット3選
実際に研究職で働いていて感じたデメリットを3つ紹介します。
全国転勤


全国転勤があるのは研究職だけでなく、化学メーカー全般にいえることかもしれませんが、突然の全国転勤の可能性があり、ライフプランを立てづらい面があります。
この全国転勤があるのは化学メーカーの最大のデメリットだと感じています。地方での勤務では慣れない環境での勤務となり、様々なギャップを強く感じる方もいます。



全国転勤は独り身にときにはいいかもしれませんが結婚や子が生まれるとなかなか難しいですよね
肉体労働が多い
量産化検討のための試作試験を生産機で行いますが、これはかなりの肉体労働を伴います。
試作試験は通常の作業ではないため、現場作業員(オペレーター)にすべてを任せることができません。そのため、研究職自らが現場で作業することが多々あります。こうした作業は肉体労働を伴うため、体力的な負担を感じることも少なくありません。
さらに、試作試験は朝から晩まで1日通して行われることが多いです。
試作試験のある1日スケジュール
8:00 出勤
*試作品の前に製品として出荷される生産品の終了時間を確認するため普段より早い出社時間
8:30 試作試験開始
*現場作業員に条件説明
9:00-18:00 条件確認
*生産工程中の溶液、温度をサンプリングし、所望の条件と一致しているかを確認
*工程の進捗状況によるので、昼休憩は随時取る
18:00-21:00 製品の評価・分析テスト
21:00 帰宅



工場の工程内を1日中動き回ってクタクタになることも多々あります、、、
書類作成の時間が多すぎる
化学メーカー研究職は書類作成に時間がかなり取られます。
- 特許・論文の執筆
- 試作試験の結果報告
- 量産化・製品化のための書類作成
など、「研究職になって実験をたくさんしたかったのに、、、」という人には苦しいかもしれません。
また、メーカーにはハンコリレーという文化があります。
先程の試作試験には多額の費用がかかり、多くの人が関わっているため、試作を行うには関係者の承認を得る必要があります。試作試験を1回実施するために、課長、部長、生産課長、生産部長といった多くの人の承認を得なければなりません。



書類作成も研究職の仕事のうちですね


化学メーカー研究職に転職する方法


現段階で研究職に興味を持っている方へ。
ぜひ研究職への道を目指してみてください。
私自身、研究職の仕事を通して
- 研究職の仕事内容にやりがいがある
- 残業もなく好きに有給消化できる
- 専門性があり、将来への不安がなくなる
など、人生幸福度が爆増するほどのメリットを感じています。
ぜひみなさんにも研究職の良さを体感してもらいたいと思います。



未経験から研究職になるのは難しいんじゃ、、、
確かに研究職未経験だと、中々内定を取るのは難しいです。
しかし正しい方法で転職活動した結果3社から内定をいただくことに成功した方もいます。
同じ実績でも転職活動のやり方で結果は大きく変わってきます。
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この方法で多くの方が未経験の研究職へ転職に成功しています。


まとめ
化学メーカーの研究職のメリットとデメリットを紹介しました。
悪い点については、日本の化学メーカーやメーカー全般に共通することかもしれません。日本の大手企業には、このような全国転勤やハンコリレーといった体質があると感じています。
それでも、化学メーカー研究職で働くことには大きなメリットがあります。
- 開発した製品を世に送り出せる
- 大規模な設備や潤沢な資金を使える
- ワークライフバランスが取れる
正直、私からしたら最高の職場です。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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よければ他の記事も参考にし、楽しい研究ライフを送るための判断材料にしてください。






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